A4サイズで全16ページの社内報はどのように印刷されているか、ご存知でしょ
うか。

「A4なのだから、A4の紙に印刷しているのでは?」
「真ん中をホッチキスで綴じるから、A3サイズに印刷して、二つに折っているのでは?」

 いずれも×です。実は16ページの社内報は1枚の紙に印刷しています。なぜ1枚
の紙が16ページになるのか、説明しましょう。
 前号で紹介したように、印刷には菊判や四六判と呼ばれる大サイズの用紙が使わ
れています。A4の社内報なら、菊判(636mm×939mm)の紙のオモテ面に8ペー
ジ分、裏面に8ページ分を印刷します。これを折って裁断すれば、16ページの社内
報が出来上がります。ちなみに32ページなら2枚の紙で済みます。つまり、印刷物
は16ページが最も効率的なのです。
 では、8ページや12ページの場合はどうするのでしょうか。
 8ページなら、用紙のオモテ面に4ページ分×2セット、裏面に4ページ分×2
セット印刷すれば、紙の量は半分で済みます。つまり、1枚の紙から2冊分ができ
るわけです。
 12ページなら、8ページ分は同じように印刷し、残りの4ページについては、別

第二回

16ページの社内報は

1枚の紙からできている!?

 編集や印刷業界には、特殊な用語や符丁がたくさんあって、部外者にはチンプン
カンプン。このコーナーでは、そんなあなたの「?」をわかりやすく解説します。

へと

の紙のオモテ面に2ページ分×4セッ
ト、裏面に2ページ×4セット(用紙の
量は4分の1)印刷します。ただし、こ
の方法だと2枚の紙に印刷するため、刷
版(印刷するための版)代は2倍になり
ます。それを避けるためには、1枚の用
紙のオモテ面に6ページ分、裏面に6
ページ分を刷り、余白部分は廃棄すると
いう方法もあります。
 このように、ページ数によって印刷効
率は大きく異なります。その基本的な仕
組みを知っていれば、社内報のページ数
を決めたり、印刷所から出された見積書
をチェックする際に役立つはずです。

2017. AUTUMN

 

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